同性愛者への心ない発言の罰として、ゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」のコーチをすることになった競泳の元オリンピック・銀メダリスト。自身は絶賛スランプ中で、また娘のヴィクトワールとの親子関係も良くない。
1982年10月29日生まれ。ベルギー、ブリュッセル出身。TVドラマを中心に長編映画など幅広く出演。フランス・ドイツ合作のファンタジー映画『美女と野獣』(2014)では主人公ベルの不良の兄マキシムを演じた。フランス発のミステリードラマシリーズ「アート・オブ・クライム 美術犯罪捜査班」(2017~2018)では美術オンチのイケメン刑事ヴェルレを演じたことでも知られている。その他に『セザンヌと過ごした時間』(2016)、「ル・シャレー 離された13人」(Netflix/2018)などに出演。
「シャイニー・シュリンプス」の創始者であり、マチアスをコーチとして招き入れたチームのリーダー。病気であることを周囲に隠しながら、仲間と水球を楽しむ日々を送っている。
1980年12月16日生まれ。フランス、コートドールディジョン出身。オスカー女優のマリオン・コティヤール主演映画『マイ・エンジェル』(2018)では海辺のトレーラーに住む孤独な青年フリオを演じた。実際に起きたバスジャック事件の人質救出劇を描いた映画『15ミニッツ・ウォー』(2018)では、対テロ特殊部隊のリーダー・ジェルヴァル大尉を熱演。その他に『ゴール・オブ・ザ・デッド』(2014)、『ザ・スクワッド』(2015)、『負け犬の美学』(2017)、『乙女たちの秘めごと』 (2017)などに出演。
チームで唯一の既婚者。同性婚をしたパートナーと共に双子の赤ちゃんを育てている。家庭に居場所がなく、仕事と称して練習に参加している。
カンヌの芸術学校「ERAC」出身。多くの舞台作品やテレビシリーズ、ショートフィルム、長編映画などに出演。映画『15ミニッツ・ウォー』(2018)では、ジャン役のアルバン・ルノワールと共演。対テロ特殊部隊の腕利きスナイパー・ジョルジュ・カンペールを演じた。その他に「王立警察 ニコラ・ル・フロック」(TV/2008)、『アムール、愛の法廷』(2015)、『ブリゲード』(2017)などに出演。
銀行員。1年半前までリーダーのジャンと付き合っていたが、一方的に別れを告げられ、いまも受け入れられないでいる。
1983年2月6日生まれ。ガボン共和国、リーブルビル出身。近年の出演作に「The Churchmen」(TV/2012)、『Nice and Easy』 (2014)、『Fort Buchanan』 (2014)などがある。
人懐っこく親しみやすい性格の持ち主。生まれてすぐに親に捨てられた過去を持つため、チームのメンバーを家族と思って大事にしている。
1981年生まれ。映画やCMのパロディを行うコメディ集団「Le Comité de la Claque」のメンバー。リュック・ベッソン製作の人気カーアクションシリーズ第5弾『TAXi ダイヤモンド・ミッション』(2018)ではビション副市長役を演じた。短編TVドラマ「Ma pire angoisse」(2014)では監督・製作総指揮を務めるなど、クリエイターの顔も持つ。その他に『セザンヌと過ごした時間』(2016)、『La grande classe』(2019)などに出演。
チームの最年長。50年間ゲイとして闘ってきたことに誇りを持っているが、年齢とともにモテなくなったことにより自信をなくし、偏屈になっている。
フランス出身。舞台俳優としてキャリアをスタートし、数多くのテレビドラマ、映画に出演。トム・ハンクス主演のミステリーサスペンス映画『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)ではDCPJ(フランス司法警察中央局)技術者を演じた。監督、シナリオライター、スチールカメラマンとしても活躍する。その他に『スカイラブ』(2011)、『ナタリー』(2011)、『最高の花婿』(2014)などに出演。
陽気な性格で自由奔放に生きている。性に対して自由すぎることからときどき淋病にかかることも。活動費は支払わないが、メンバーを大事に思っている。
1988年5月27日生まれ。フランス、ナント出身。近年の出演作に『Théo et Hugo dans le même bateau』(2016)、『おとなの恋の測り方』(2016)、『Haut perchés』(2019)などがある。
振付担当。ゴルチェのコートに身を包みルブタンのピンヒールを履くなどファッショニスタ。性別適合手術をして以来、周囲から好奇の目で見られている。
アントワープ王立美術アカデミーファッション学科を卒業。ダニエル・スワロフスキー・オートクチュールのミシェル・マーティンのアシスタント、イリナヴォルコンスキーのアシスタント経験を持つファションデザイナー兼パフォーマー。近年の出演作に『Mise a nu』(短編/2015)、『Where Horses Go to Die』(2016)、『LES REINES DE LA NUIT』(2019)などがある。
新入りメンバー。半年前にゲイということがばれ、故郷を出てパリにやってきたが、まだゲイとしてオープンになれずに悩んでいる。
短編映画を中心に舞台などで活躍。本作が長編映画2作目となる。近年の出演作に『Séance』(短編/2014)、『BACKROOM』(短編/2014)、『LA BETE』(短編/2015)『Timing』(2017)などがある。
フランス最古のテレビ局TF1のテレビリポーターとしてキャリアをスタートさせ、世界各国を飛び回り、有名アーティスト、映画監督、ファッションスタイリストなどの取材を経験。30歳で、テレビ番組「50’s inside」の監督を任され、同時期にフランスのドキュメンタリーネットワークSPICEEで現代芸術のドキュメンタリーを監督する。さらに、自身の劇団で俳優としても活躍。2012年、友人の紹介でゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」に加入。2015年、フランスのテレビ局Canal+で、名作映画の架空の舞台裏を描いた短編テレビシリーズ「Scene de culte」を製作。20エピソード分の監督・脚本・出演を務める。マキシム・ゴヴァ―ル監督と共同監督した自身初の長編映画となる本作は、ヨーロッパで有数のラルプ・デュエズ国際コメディ映画祭にて審査員賞受賞をはじめ、数々の映画祭でも受賞した。
数々の作家コンテストで入賞後、フランスのメジャーなテレビ番組の放送作家としてキャリアをスタート。2015年『I Kissed a Girl』で、長編映画監督デビュー。コメディ映画の新境地を開拓し、ラルプ・デュエ国際コメディフェスティバルで大賞を受賞。2017年、2作目のコメディ映画『Daddy Cool』を監督。2018年、プロデューサーの紹介により、実在のゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」に所属するセドリック・ル・ギャロと出会い、本作の共同監督・脚本を担当。世界30カ国以上で公開され、様々な映画祭にも招待された。
この7年間、実生活でゲイの水球チームに所属し、“ゲイゲームズ”をはじめ、世界各地で行われる様々な試合に出場してきました。奇異で過激と見られようと自分を貫く自由な仲間との旅は、人生観が変わるほどの経験でした。何よりも、辛い現実をユーモアで乗り切る彼らの圧倒的な強さを知ってもらいたいという思いから、この映画は誕生しました。彼らの生き様の素晴らしさは、多くの人々と分かち合えると思っています。
セドリック・ル・ギャロ(監督)
初めて会った時、セドリック・ル・ギャロは“シャイニー・シュリンプス”のとてつもなく面白い話を聞かせてくれた。冒険だけじゃなく、クレイジーで風変わりなこの話に、僕はすぐに夢中になった。スポーツ自体よりもパーティが好きなゲイの水球チームだって?それはぜひとも映画にしなきゃ――そう感じた。
マキシム・ゴヴァール(監督)